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子どものアトピー

生活スタイル(1)

子どもが健康に育つことそのものが
皮膚の健康です

「ぬる・保湿」をやめて、皮膚の機能を働かせよう

皮膚自身がしっとりするためには、何もぬらないことが大切です。皮膚を乾燥した環境におくと、乾燥に対応できる自前のバリア機能が回復してくるからです。

アトピーが治りにくい原因のひとつは、保湿のしすぎです。「この子は乾燥肌だから保湿してね」と、医師から言われるかもしれませんが、毎日保湿してもアトピーは治っていきません。いつも保湿されている皮膚は、保湿する力が育ちません。肌が乾燥していても何もぬらずにいれば、皮膚が自分の力でバリア機能を回復していき、元気な皮膚を作っていきます。

memo

「何もぬらない」治療にすると

ステロイドをぬっていた期間は数カ月だけでしたが、中止後はとても悪化しました。

お母さんに、「ステロイド再使用を希望しますか?」 と尋ねたら、「ぬっても治らなかったのでぬりません」とのお返事でした。

毎日遊んで食べての繰り返し。

すっかりきれいな肌になりました!

◆保湿は肌をこわす ――朴訥な皮膚科医さんからのメッセージ

角質層は、約0.02mmです。角質の湿度は、通常20~30%を保ち、

恒常性(ホメオスターシス)により、

外界の環境に対し、順応に対応できる仕組みになっています。

適度な湿度により、

ほどよい強度と弾力が保たれ、機械的刺激から守り、

食物やダニや黄色ブドウ球菌をはじくことができます。

厳酷な乾燥、過剰な加湿、急激な湿度変化が起こると、

ホメオスターシスがくずれ、

本来の機能が損なわれ、病気発生の原因となります。

保湿剤を塗布すると、

含有する合成界面活性剤の乳化作用により、角質層の構造がくずれ、壊れます。

潤ったように感じるのは、

合成界面活性剤の親水基がつかんでいる水と、

ポリマーによるコーティング作用によるものです。

壊れて、水浸しになった角質層の表面を

ビニールシートで覆っているようなものです。

そのため、異常な高湿度環境に長時間さらされ、破壊がすすみます。

浸軟した角質層は、機械的刺激からの防護はできません。

保湿した肌を爪でひっかくと、傷ができやすいのはそのためです。

ほどなく、ポリマーがひからびて、合成界面活性剤がつかんだ水は蒸発。

水を失った合成界面活性剤は、

表皮から供給される水や汗の水をつかんで蒸発させ、

また、つかんでは蒸発させ、乾燥を促進させます。

もはや、破壊されたバリアは、直下の表皮細胞も守りきれず、

表皮の役割であるステロイド分泌作用、免疫作用、セラミド合成能、抗酸化作用も

すべて低下してしまいます。

さらに、ポリマーでおおわれた肌は、

保湿成分の産生を補ってくれる表皮ブドウ球菌が増殖できない、

不毛地帯となります。

朝、夕の保湿に加え、一日に何度も保湿することや、

コットンにふくませた保湿剤を長時間のせる事や、

パックすることや、美容液をはたきこむ事や、

加湿器に顔をちかづける事、

長時間入浴することなどすべてが、

角質細胞にとって、なんども襲う細胞破壊の脅威なのです。

そのため、

「保湿剤を塗っても塗っても、乾燥がおさまらないのです」

「入浴後に、保湿剤を塗らないとつっぱって、ガサガサになるのです」

と訴える方がほとんどです。

そして、機能不全の肌は、

季節の変わり目などの湿度や温度の変化に順応に対応ができず、

湿疹ができます。

では、白色ワセリンは、合成界面活性剤が入ってないが、これはどうか。

皮膚には皮脂膜があり、

肌の恒常性を保つための適量で調節されています。

白色ワセリンという過量な油でおおわれると、

肌は密封され、不感蒸泄、発汗の水分の発散をブロックし、

角質細胞はふやけてこわれて、本来の機能を保てません。

ばんそうこうを貼って蒸れると、肌が落屑するように、

過剰な水分は、

ミクロレベルで、角質細胞をボロボロにこわします。

そのため、

「白色ワセリンがないと、乾燥してしまう」

「白色ワセリンを塗るのをやめることができない」

機能不全肌にさせてしまっている。

保湿をすると、アトピーも、アトピーでない人も、肌バリアはこわれます。

機能不全にさせるばかりで、結局のところ、保湿では、アトピーは治せません。

…人間のちっぽけな脳みそで思いついちゃった

「保湿」は、

肌にとってはエライ迷惑! おせっかい! ということです。

以上のことに気づかせて下さった諸先輩の方々に感謝いたします。

6時起床で8時就寝。1日の生活リズムを整える

アトピッ子の皮膚は弱いので、強い皮膚に育てる環境が必要です。1日の生活リズム(睡眠・食事・遊び)を整えましょう。

子どもの睡眠は大変に重要で、夜間7時~9時までには就寝、朝は6時~7時の間に起床。早朝にしっかり朝日を浴びると、ぐっすり眠るためのホルモンが分泌されます。午前中の散歩はかかせませんね。寝る前の強い光(テレビ・パソコン・ゲーム)の刺激は、脳を興奮させます。寝る前1~2時間はテレビを消し、夜8時に寝る時は、電気を全部消して真っ暗にしてください。夜の外出は禁止です。

日光にあたりながら、自然の中で運動(遊び)を

6か月になると寝返りや腹ばいなど積極的に運動しはじめます。8か月になり、はいはいが始まると、足が動きやすいように、おむつをとって綿パンツにします。運動は、乳児の成長を促します。日光浴もかねて、自然のある屋外で、日光、風、緑、土、水に触れる運動(遊び)をしましょう。毎日のお散歩がおすすめです。

子どもが健康に育つことそのものが、皮膚の健康なのです。生活環境への適応能力がもっとも発達する乳幼児期は、土や水に触れて遊ぶことで、心も体も成長していきます。

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