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子どものアトピー

番外)赤ちゃんの抱き方が大切

京都で開業なさっている家森クリニックは、乳幼児の発達が専門です。

心強い、メッセージをHPに載せておられます。

『得意なことは自分を好きになるためにある。不得意なことは努力して少しずつ乗り越える喜びを知るためにある』

『親は子どもに遠慮がないので不得意に関わると子どもを苛めて駄目にしてしまう。親は徹底して子どもの得意なことを広め深め高めるために努力し、不得意は他人に任せて育ててもらおう』

赤ちゃんが健康に育つために、体の発達がとても大切です。

アトピーがある子は(ない子も)体の発達をしっかりと促す育児が望まれます。

子どもがかゆがると、抱っこの時間が長くなり、子どもの体の発達を阻害します。

同じことは、エルゴの使用によっても生じます。

身体の発達が一番大切です。 エルゴについて、家森先生の考えをもとに次のようにまとめを作りました。ご覧ください。


発達障害の子どもの乳幼児期を振り返ると、運動障害があることが多くみられますから、乳幼児期の運動発達障害(寝返りが遅かったり、ハイハイができなかったりなど)がある場合は、今後の成長をしっかり見守る必要のある子どもです。

運動の発達を援助しないでいると、発達障害になっていく可能性があります。

運動発達障害(遅延)をみつけ、その子供たちに発達の手助け・作業療法を行っていくことで、体の使い方のアンバランスさが軽減されます。体が上手に使えるようになってくると、健常児と同じ定型発達に近づけます。

エルゴの問題点

HPにあるエルゴの説明には、「新生児から新生児用マット(インファントインサート)を入れて使える」とあります。

新生児用マットを入れて抱くと、赤ちゃんの姿勢は縦抱きになります。首のすわらない子を縦抱きすると、まだ顎をあげる力が弱く、気道が顎でふさがれ、充分に呼吸ができない危険があります。

柔らかい布団でうつ伏せで赤ちゃんを寝かせると、鼻口が布団でふさがれ、頭を持ち上げられずに、窒息して死亡することがおきます。乳児は体に比べ頭が大きく、頭を持ち上げる力のない生後1~3か月は、縦抱きにすると顎がおちて呼吸が抑制されます。呼吸ができないということは、低酸素がおきます。脳が長時間低酸素になると、脳は障害がおきてしまします。

車の「乳児用のベビー籠」に寝かされいた赤ちゃんが低酸素で顔色が悪くなり、小児科を受診しています。「籠」に入れると血中酸素濃度が下がります。これは、籠が丸いので、赤ちゃんの姿勢が顎がおちて呼吸抑制になっているためです。顎を持ち上げる力のない月齢でおきます。籠から出て畳に寝ると酸素濃度が正常になります。

赤ちゃんをエルゴに入れて縦抱きにすると、同じことがおきます。


乳児は脊骨・背骨の筋肉がまだ未熟であるため、縦抱きにすると重たい頭を支えることができず、背骨及び背骨を支える筋肉(傍脊柱筋)の発達に負担がかかります。頭を支えようと、頚が反ったり背中や腰が曲がったり、下肢が突っ張ったり股関節を硬くしたり、体に力が入って不自然な反り返りの強い姿勢や、無理な体の使い方をすることになります。

その結果、寝返りをするときに肘で体重を支えることが難しく、うつ伏せにすると手足が反り返り、うつ伏せの姿勢を保つために、肘を肩の前につくこともできません。ハイハイをするために、足で地面をけることもできません。

乳児の正常な発達を妨げることがおきます。

エルゴのHPにみられる整形外科のコメント

生後に起こる発育性股関節脱臼を防ぐには、関節がやわらかい新生児期の抱っこの仕方に注意しましょう。前抱きの際には自然に脚を広げて膝が曲がった状態で抱っこしてください。良くないのは股関節を左右から締め付け、赤ちゃんの脚が真っすぐ伸びた姿勢。とくに新生児期用抱っこひもは、赤ちゃんが脚を自由に動かせるものを選んでください。


エルゴの中に赤ちゃんを入れると、股関節は左右に開く姿勢になります。

整形外科のコメントには、股関節については説明されています。股関節が十分に開くことは大切です。赤ちゃんはカエルのように、手足を左右に開いて寝ます。

昔、布おむつが主に使用されていた時代は、おむつがかさばり、強くおむつカバーを絞めすぎて股関節脱臼の原因になりました。股関節がおむつカバーで絞めつけられて股関節の脱臼がおきます。赤ちゃんは毎日のことなので痛みを訴えず、ハイハイができなかったりして気付かれることもありました。

今は紙おむつが主流で、股関節を圧迫しないので、股関節脱臼は少なくなりました。

エルゴには、お尻に分厚いイスクッションがついています。クッションでお尻を支えて両足がM字型に左右に開くように(赤ちゃんを抱いて、お母さんの掌をまたの間に入れて、体重を支えるように)なります。

エルゴを使用したときの、股関節についての説明はありますが、首・背中・支えについてのコメントがありません。エルゴに入れて縦抱きをしたときの首・背骨の支えについて、無視されていることは大変に大きな問題です。

重たい頭を支えるための首・背中の支えがありません。うすっぺらい陽よけがついていますが、頭を支える支持性は全くありません。薄っぺらい日除けで頭が反るのを守っているかのように見えますが、頭や首・背中を支えることはできません。

エルゴの中で赤ちゃんは、重たい頭を支えるために、首・背骨に無理を強いられます。

自宅でエルゴで抱っこをされている乳児(生後2か月半)の場合

発達障害の心配を親がしています。この乳児は、自宅でお母さんが育児にあたっています。

2か月半の乳児で、エルゴを日常で使用していますから、まだ首のすわらない状態で、縦抱きの姿勢を強いられていることになります。

エルゴは「生後0~2か月の子供にマット・クッション(infant incert)をいれて、縦抱きができる」と記載されています。

このマットは、首を支えるようになっていません。エルゴを使って乳児を縦にだくので、赤ちゃんは姿勢を保とうと足を突っ張ります。背を反ります。肩が挙ります。エルゴのなかで力を抜いて、脱力してゆっくりすることができません。力を抜けないので熟睡ができません。

寝るときは、全身の力をぬいて深い眠りに落ちるのですが、体のあちらこちらに力がはいってしますので、熟睡ができないのです。睡眠がとれないので、機嫌よく起きることもできませんし、しっかり授乳をする力もでてきませんから、生活のリズムが作れない赤ちゃんになっていきます。

親が抱っこをしようとしても、反りかえる姿勢を強くとるので、抱っこがとてもしにくくなっています。反り返りがなければ、丸くなってお母さんの腕のなかにすっぽりとくるまります。授乳のときも肩などに力が入り、丸い姿勢がとりにくく、哺乳も下手で、授乳後によく吐く子どもです。

エルゴのなかで生活をし、身体を動かせないので、安定した姿勢がとりにくいのです。

姿勢が安定しないと頭がぐらぐら揺れていますから、じっと物をみる視線が安定せず持続して見ることができません。物を見るときは、頭が動かずじっとしていなくてまいけません。物を見る力が弱く、物のとらえができないので、外部を認識する力が育ちません。赤ちゃんの旺盛な好奇心を刺激することが難しいので、そのため意欲がない赤ちゃんに育っています。

これは、背柱の支えがないエルゴで縦抱きの姿勢を強制されたために、姿勢がくずれて、反りの強い赤ちゃんになってしまったことから、始まっているといえます。


エルゴで使われているインファントインサートは左右をベルト状に固定して使用しています。

エルゴの中では、腕を伸ばしたまま固定されていたため、腕を自由に使うということができません。

赤ちゃんは、長そでをきるだけで、腕を使うことが難しくなりますから、エルゴで腕を固定して自由に動かせないと、エルゴから出てからも、片腕は伸ばしたままで手を使うことをしません。

板の腕で、上向きに生活していれば、手足をバタバタしているうちに、赤ちゃんは左右のバランスをとれるようになり、生後3か月ごろからは上向きで寝ているときに、握った手を顔の前に持ち上げてじっと手をみつめます。

エルゴの生活では手を頭の前に持ってくることもできず、手をなめたりすることもできません。

赤ちゃんのおもちゃは、手と足です。おもちゃを使えない赤ちゃんは、生活の楽しみ・喜びが小さくなります。

手が使えないのはエルゴで、腕が伸びた形で固定されてしまうからです。左右の手が、興味のあるものに対して出なくなってしまっています。両方の手が伸びきってしまいます。手を使わない乳児期をすごします。

エルゴによって、手が伸びた形で固定されたため、自分の力で腕を使うことができないので、指しゃぶりができず、両手を持ち上げて、手で遊ぶことができない赤ちゃんとなり、手を使えないので、次の発達に進むことができません。

手が使えないという生活をすることは、運動障害(協調運動障害、手の不器用さ)や発達障害(理解力、会話力の障害)につながっていきます。

体の支持性の問題

赤ん坊が固い床で上向きに過ごすと、板の上で手足を自由にばたばたすることで、生後2か月頃より手合わせ足合わせをして正中が取れるようになります。生後3か月頃に、左右差が自然に修正されていきます。エルゴをこの時期に使っていると、左右差の修正ができません。

首がすわる〈生後3~4か月〉

このころから、外をみることに関心をもつので、周りが見やすいように外向きに前向き抱っこをすることは良いことです。

外向き抱っこのときは、(お母さんと同じ向きをとる)お尻と両脇を支え、背骨に頭を支える負担がかからないように抱っこします。

昔のおんぶの姿勢は、母の肩に赤ちゃんの両肩が乗っています。赤ちゃんが母につかまっている姿勢です。お母さんは、背中を丸め、赤ちゃんの体重をしっかりと背中で支えています。赤ちゃんは、お母さんの背中の上部に位置して、母親の背中と、肩が赤ちゃんの体を支えている。

一方、エルゴは前抱きでも、おんぶ抱きでも、赤ちゃんはエルゴの中にずり落ちた姿勢になります。カエルの両手をもって、ぶら下げた形を想像してください。重い頭を、自分の弱い脊柱で支えなくてはならず、無理な負荷がかかるので、反りの強い、肩に力のはいった姿勢となっていきます。

以上のことから、エルゴは 脳性まひ危険児(体を使うことができない)の姿勢を作っているといえます。

※エルゴではなく他の種類のもの:スリング・バウンサーも乳児の姿勢がかたより、発達をじゃまします。また、ベビージム(ぶら下げるおもちゃ)は、赤ちゃんが真上に興味をもつことで、左右への寝返りをさまたげます。

手足の協調運動を妨げるエルゴ

エルゴがすべての原因ではありませんが、使用することで赤ちゃんは間違った体の使い方をしてしまい、エルゴを使っていない時間で修正できれば良いのですが、修正しきれず運動障害を抱える子どもが増えていると思われます。

0歳の時にエルゴを長時間使用して育児をすると起きること

手合せができない。

寝返りができない

ずりばいができない(股関節を固めているので)

上肢の支持性が少ない(こけたときに、手をつけない。頭から突っ込んでしまう)

0歳の時にエルゴをつかって、体の支持性が育たない子に1歳から起きること

普通は、0歳の時に、手足の支持性の獲得、左右差が修正されて、ずりばいで交互性(左右をかわるがわる使っていくこと)の獲得をしていきます。

それらができて、協調運動が行えますから、協調運動の発達ができていなければ、安定した座位、立位がとりにくく、大きくなった時に手を使うということも不器用になっていきます。

例えば、食事で手づかみがしにくい、マジックで絵が描きにくいなどがあります。

さらに成長したときに、折り紙が上手におれない、スプーン、フオーク、お箸などの食器類、鉛筆などの道具の操作が難しくなります。絵も思うように書けないかもしれませんし、文章を書くことも嫌いになるかもしれません。

また目と手をつかう操作の協調運動がうまくできないと、物を見て絵を書くということや、学校生活で、ノートを取ることも難しさがでてきます。

エルゴによって、体の自由を制限されることで、上記のような発達障害の特徴を持ってくるようになります。


赤ちゃんは、乳児期に床の上で、ごろごろ寝て過ごしていれば、自然に左右差などは修正されていきます。エルゴで抱かれている時間が長い赤ちゃんは、左右差やバランスの乱れの修正が入りにくいことになります。

ずりバイは、生後8か月の赤ちゃんに大切な動きで、ずりバイによって身体の左右協調運動が出てきます。かわるがわる、かわりばんこに、手足を使っていくのがずりバイです。その動作をすることで、体が左右をバランスよく使うことを覚えていきます。ずりバイを飛ばしたり、四つ這いから、すぐにつかまり立ちをさせていると、鍛えるべき筋肉や体を保つ力(支持性)を獲得できませんから、年齢(月齢)に応じた本来の力が育っていきません。

上肢体幹の支持性低い子どもは、体を良い姿勢で保つことができないので、しっかりと物事を凝視することができませんので、目で見る力が低いのです。まず、物ごとをしっかり見ることで、周囲を認識しますので、「しっかり見ることができない」ということが、周囲を認識する力を弱くします。

「あれはさゆりちゃん。この子は太郎君、これは私の靴」といった、身近な事柄など周囲の認知が弱くなっていくので、言葉の発達が遅れることもあります。

0歳の体の使い方に注意すること

首のすわり……3~4か月

寝返り……5~6か月(巾広い)

ハイハイ、四つ這いが出来て自分で座れる……8~10か月

自分でお座りができるようになれば、赤ちゃんの背骨を支える筋力がしっかりしてきたといえます。多くの子どもは生後8か月ごろから、しっかりしてきます。

6~7か月の早い時期にお座りの姿勢を大人がとらせると背骨の支えができていない月齢ですから、早く座らせると背骨の力で体をまだ支えられませんから、前に手をついて、手で支える姿勢や頚が反り背中が曲がるような姿勢をとり、突然後ろ向きにひっくり返ったりします。子供がひっくり返るので、お母さんが心配して、お座りの後ろに待機している方もあります。自分で自然にお座りができるようになるまでは、あまりお座りの姿勢をとらないように気を付けます。(食事・着替えの時だけのこと)

自分でお座りができる時期になれば、ひっくり返ることも、手で体を支えることもなく、両足をしっかり広げて、安定した姿勢でお座りをして、手を自由に使って遊びます。

結論として

おんぶも抱っこも『エルゴ』は、赤ちゃんの体がずり落ちた姿勢になる。

子どもへの姿勢発達へのメリットない。デメリットは大。

8か月を過ぎると子どもが自分で体を支える力がつくので(自分でお座りができる月齢)デメリットは減る。

乳児にBestの方法は

抱っこ……正しい姿勢で抱っこをする

道具を使うのであれば、大きい乳母車。手足がのびのびと、使える大きさが望ましい。

イギリスのロイヤルファミリー(キャサリン姫)は育児に大きな乳母車を使っている。フラットで手足が自由に動かせる形(リヤカーの様な形)が望ましい 。

memo

乳児の正しい抱き方

  • ●首がしっかりと座るまでは横抱きにする
  • ●赤ちゃんを縦に抱かない
  • ●横抱きのときは、平らな板に置いたときのように、体は真っ直ぐに、床に平行に抱く
  • ●左右にねじらず、頭が後ろにおちないように、ゆるやかな弧を描いて抱く
  • ●横抱きのときに、両手がきちんと前にでるように抱き、股関節は左右に自然に開いているよう、気を付ける

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