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子どものアトピー

乳児治療の食事(1)

食事制限は必要ありません
しっかり食べて体重を増やして

母子ともに食事制限はなし、多くのたんぱく質が必要

皮膚を構成する成分は、ケラチンと呼ばれる「たんぱく質」です。アトピー性皮膚炎の症状が強い時は、皮膚を再生するために「たんぱく質」が欠かせません。

授乳中のお母さんが、卵や肉魚を食べずに野菜ばかりのかたよった食事をとると、赤ちゃんが必要とするたんぱく質が足りなくなります。新鮮な野菜も卵・肉・魚もバランスよく食べてください。

赤ちゃんがお乳をしっかり飲むためには、赤ちゃんなりの運動が必要です。

生後1か月ほどは、うとうととお布団の上ですごします。

生後2か月からは、眼が覚めているときは、固いフローリングの上、または畳の上で下になにも敷かず(バスタオルやシーツも敷かない)寝転がり、手足をバタバタさせます。

生後3か月をすぎると、腹這いの姿勢もとらせます。

生後4か月になると、寝返りの練習をします。腹這いにして、ぐっと頭を持ち上げることができれば、首まわりの湿疹も消えていきます。また、自分の手で足を持って、手足をおもちゃにして遊びます。

いつも抱っこばかりしていたり、スイングに入れて抱っこをしたり、早くからエルゴ(抱っこひも)を使うと、赤ちゃんの姿勢は大変に悪くなり、背骨にも負担がかかり、正しく体を使うことができません。体を自分で動かせない赤ちゃんは、皮膚症状が悪化していきます。痒がるので、かかせまいとして、抱っこをしたり、衣類でくるんだりしていると、一人で寝ることのできない赤ちゃんになっていきます。抱っこの時間が長い赤ちゃんは、泣かずに過ごしているようで、自分の体を使って動くことができませんから、遊ぶこともできず、アトピーは悪化します。

秋冬に寒いからと重ね着にすると赤ちゃんは動けません。乳児は力が弱いので、手足を動かすためには、半袖(肘がでる)とおむつのみにします。長そでや、重ね着、上下のつながったロンパースは体を動かすことができず、皮膚が蒸れて汗がたまり乾かないので、湿疹ができ悪化していきます。

生後2か月から、バタバタと手足を動かし、生後3か月になったらお母さんのお乳がパンパンにはってから(時間は3~4時間あく)お乳をのみ、生後4か月からは寝返りをしてころころとまわり、お腹をすかせて、ぐっすりと眠る。この生活リズムを作ることが一番大切です。

授乳のタイミングは、赤ちゃんが泣いた時ではありません。赤ちゃんはいろいろなことで泣きます。お母さんのお乳がパンパンにはった時が、授乳の時です。

乳児は、生後2か月過ぎると起きている時間、寝ている時間がはっきりしてきます。脳が「睡眠シナプス」を作成するために、朝日の光を十分に活用し、夜は光を消して人口の光を見せない(テレビ、蛍光灯、コンビニなどに夜連れて行くこと)でいれば、睡眠をしっかりとれます。痒くて寝ないのではありません。「睡眠シナプス」を作れない赤ちゃんが眠れないので掻くのです。

5か月からの離乳食の時期には、卵やミルクでじんましんがでる場合があります。卵とミルクは、症状の強い子は離乳食が完成する1歳頃から始めます。野菜はもちろん、魚や豆、肉などのたんぱく質をしっかりとりましょう。子どもが食べてかゆくなることを心配しないで、しっかり食べさせて体重を増やすことが大切です。子どもがかくと食べものを悪者扱いにしがちです。

食べて、じんましんが出た時以外は、食事制限は必要ありません。

離乳食は、「食べる意欲」ですすめます。「食べる意欲」は「生きる意欲」のある赤ちゃんに芽生えます。スプーンで口に食べ物を突っ込んでいては、「意欲」がわきません。自分で手づかみで、食べる物をつかむことから始めます。

体重が増えないと皮膚に栄養が届かなくなる

体重が増えない時、皮膚はぼろぼろ落ち、低栄養、低たんぱく、低アルブミン、電解質バランスの崩れが起きることがあります。赤ちゃんの体重が増えないことは大きな問題です。体重が増えない時、皮膚を作るための栄養(蛋白質)が足りなくなります。湿疹は悪化していき、さらに滲出液が増えてたんぱく質が失われていくという負の連鎖になってしまいます。

体重が増えない時は、離乳食を開始

生後4か月は、成長曲線が急激に増加する時です。体はぐんぐん大きくなろうとしています。ですが、まだ母乳だけの時期ですから、栄養は限られます。

生後4か月経って、母乳だけで体重が増えない時は、まずミルクを足します。体重が減るようなときは、ミルクだけにして、どれだけ飲んでいるかはっきりわかった方が安心です。また、少し早いけれど離乳食を開始しましょう。

赤ちゃんが泣くたびに母乳を与えていると、母乳の出も悪くなり、時には便の回数が1日10回を超えるようなこともあります。そのため体重が増えず、アトピーもよくなりません。授乳(ミルク)回数は3~4時間あけ、離乳食を開始すると、徐々に体重も増えていきアトピーがよくなっていきます。

memo

「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」は違います。

「食物アレルギー」は、「アトピー性皮膚炎」ではありません。乳児(0歳児)では、食物アレルギーでアトピー性皮膚炎を誘発されることがありますが、アトピー性皮膚炎は、ある特定の物質に対するアレルギーではありません。卵とミルクは、離乳食が完成する1歳以降から使っていきましょう。

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