子どものアトピー
乳児治療の食事(2)
たんぱく質は皮膚の再生に必要
こわがらずにお腹いっぱい食べよう
アレルギー検査を断りましょう
アレルギー検査を受けると、食べられるものでも陽性反応がでることがあります。血液検査で、卵・大豆・ミルクに陽性反応が出ても食べられる赤ちゃんはたくさんいます。蛋白不足から命にかかわる状況になる赤ちゃんもあります。
一度陽性が出ると食事制限指導を受け、お母さんもアレルギーがこわくて離乳食を進めていくことができません。
血液検査でチェックするのは、IgE抗体をもっているかいないかですが、陽性反応が出たとしても(IgE抗体をもっていても)、その子が食物アレルギーを起こすとは限りません。
食事制限をせず、お腹いっぱいに食べることが大切です。
野菜ステッィクを持たせる
離乳食は、赤ちゃんが手で食べ物をつかんで、口に持っていくことの繰り返しです。赤ちゃんは、掴んだものをなんでもなめます。これが、食事ですから、野菜をステッィクにして、待たせて下さい。掴んで食べる練習ができます。
人参、大根、ブロッコリーの芯、アスパラなんでもOKです。
湯で軽くゆでて、固いまま、手に握らせます。握って口に持っていくのを、待ちましょう。
肌は、体の末梢部分。体の健康が美しい肌に
皮膚はもっとも末梢の臓器で、樹木にたとえると葉っぱの部分です。樹木も根や幹が健康でないと、きれいな緑色の葉っぱは生えてきません。それは私たちの体も同じです。皮膚に栄養が届くのは、最後の最後。赤ちゃんが健やかに成長していく時に、皮膚にも十分な栄養が送られて、皮膚が輝くのです。
肌が荒れている時はお肌の手入れに目がいきますが、大切なことは体全体の栄養バランスです。葉のすみずみまで美しい樹木であるために、末梢の皮膚にまで十分な栄養を送り続けられる強い体作りが大切です。
すりつぶした離乳食を与える期間は短い。4ヵ月くらいからつぶさずに、細かくきざむ。成長に応じて手でつかめるようきざみを大きくする。半分はこぼしてしまうが、自分の手で口に持っていくことが大切。
どうして体重が増えないの?
母乳は、たんぱくの量が乳児用ミルク等に比べて少なく、母乳だけの赤ちゃんは病状が重症化しやすい傾向にあります。体重が増えにくくアトピーの症状が強い時は、ミルクの追加、早めの離乳食も考えてみてください。
玄米食
ミネラルと食物繊維の豊富な玄米は、子どもたちに食べさせたいお米です。
5分付き、7分付きなどがありますが、柔らかく炊くと、離乳食から利用できます。
初めての卵・ミルク
アレルギーは、食物中のたんぱく質が原因です。たんぱく質は、熱を加えると形が変わります。次のように、しっかりと熱の加わった形で食べてください。
●卵の場合
【ステップ1】
クッキーなど卵を含む加工品から食べます。蛋白質は、熱を加えるとアミノ酸配列がかわりますから、しっかりと熱が加えられた加工品(クッキーなど)から始めます。
【ステップ2】
固いゆで卵を作ります。ゆで卵をおでんなどでさらに煮こみます。(熱処理をすると、たんぱく質を作るアミノ酸配列の形が変わります)
【ステップ3】
ゆで卵の黄身だけを食べます。黄身は多くの場合、トラブルはでません。
【ステップ4】
ゆで卵の白身だけを食べます。少量からたべます。
【ステップ5】
ゆで卵を食べてじんましんが起きないことが、確認できれば、ほかの卵料理を始めてください。他の卵料理(ホットケーキ・卵焼き)を食べます。
●ミルクの場合
ミルクを温めて、上にはった膜を取り、(膜はたんぱく質です)シチュー・ホワイトソース等の料理に使います。料理で更に加熱します。
どれも週1回の練習と思って食べさせてみてください。