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子どものアトピー

重症化を防ぐ工夫(1)

食事・服装・入浴…乳児治療

自然治癒に向かうまで守ってほしいポイント

乳児から幼児期にぜひ実践してほしいポイントがあります。重症化しないために、できるところから始めてみてください。

一番は「自由にかかせる」ことです。

痒いのに掻けないのは、赤ちゃんにとってそれはそれは大きなストレスです。かけないように、厚いミトンや手袋をつけたり、肌を隠すように長そで長ズボンを着せたり、包帯でぐるぐる巻きにしたり…。動きにくくてとても不愉快ですし、皮膚も蒸れて壊れやすくなり、血流も悪くなります。掻き始めると、すぐに抱っこもよくありません。「好きなだけ掻かす」こと。

「でも、掻いたら血が出る、掻いたら傷になる、掻いたら汁がうつる」と思いますか?違います。上手に掻くようになります。そして、掻いても壊れない皮膚になって治ります。自由に掻けない赤ちゃんが、一瞬の隙に掻く「掻き方」はそれはすごいものがあります。顔を引きちぎるかのようにかくのです。お面をはぎ取るように掻きます。

掻かないから(掻かせないから)、治るのではありません。

掻いていても、壊れない皮膚を作る力ができて治ります。


次に服の着方:どのように、皮膚を包むかが大切です。

子どもは薄着が基本です。

一番は、もちろん裸! 赤ちゃんは、裸が大好きです。

服は夏も冬も「かゆい時にすぐにかける」服装にします。風通しのよいゆったりした半袖シャツ(冬も肘がでること。夏はランニング)とパンツ一枚だけ。冬でも室内では、半袖半パンにしてください。生後4か月で、足がよく動くようになったら、綿パンツ1枚にします。大腿の内側がおむつでこすれて湿疹がでてきます。湿疹のある子は、おむつをとって、普通の綿パンツにします。おしっこがでれば、パンツを替えます。床が濡れたら、ぞうきんで拭けばよし。トレーニングパンツは蒸れて気持ちが悪いので使いません。

おむつがこすれると大腿の湿疹が治りません。

日本の夏は暑くて湿度が高く、汗ばみます。「下着を着せて汗を吸わす」と、衣類の中はサウナ状態です。皮膚の角質は、壊れとびひなど感染症まで引き起こします。


冬になっても夜寝る時に、パジャマの下に下着は着せません。

「お腹が冷えるから」とロンパースや腹巻は着せません。冬に、チョッキやおくるみに包んでしまうと、夜中暑くて多量に発汗し、下着は汗でぬれています。皮膚は下着の中で蒸れて壊れやすくなり、かゆみも強くなります。

夏も冬もシャツとパンツ1枚で寝ることをおすすめします。


夏に、シャツの上に「日よけ用スモック」を着て散歩にでるなど、もってのほかです。お散歩の時の紫外線は怖くありません。毎日散歩をしていれば、皮膚は黒く焼けて紫外線カットを自前で作ります。シャツの上からスモックを着させて、どれほど不愉快な思いを子どもにさせるのでしょう。

保湿はNG。冬場の乾燥は短期間の保湿のみ

乳児期の生活スタイルは、その子の一生に影響を与えます。

汗腺の数が決まるのも

食物に対する免疫寛容がおこるのも、

表皮や腸に存在する最近の種類が決まるのも、

乳児の時です。

寒い時期、子どもの皮膚の毛穴の角質が厚くなり、さわるとざらざらした肌になることがあります。けれど、小学校にいく頃には、スベスベの肌に変わりますので、薬をぬって保湿をする必要はありません。しっかり歩けるようになり、運動量が増えてくると、きれいになっていきます。

保湿を続ければ、不安定な乾燥肌が続きます。また、保湿をしている皮膚は各層が弱く、掻き傷がたえません。クリーム状の保湿剤は、界面活性剤を含んでおり、肌バリアが破壊されます。

冬に乾燥して肌のかゆみが起きる時、寒くて空気が乾燥している秋冬に、肌がガサガサしてかゆみがあれば、オリーブオイルを少量(保湿用。飲食用は使わない)お風呂上がりに肌にぬってみてください。塗りすぎると、てかてかしますから、塗ったあとでもさらっとした手触りになるくらい、少量使います。

もっと簡単で良い方法は、お風呂に入らない事です。入浴で皮脂が奪われ乾燥しますから、入浴(シャワーも含めて)しなければ、乾燥が改善します。

お風呂に一か月はいらなくても、何もトラブルはありません。

1年中薄着で過ごし、さっとシャワー

汗は、風にそよがせ乾かすのが一番です。

夏は、さっと短時間のシャワーをします。

皮膚の必要な脂分や水分を奪う界面活性剤は(石鹸・ボデーソープ・シャンプー・リンス)は使いません。界面活性剤は、皮膚のバリアを壊します。

お湯のみです。シャワーで簡単に全身を洗い流します。もし子どもがお風呂嫌い、シャワー嫌いだったらチャンスです。着替えだけで、皮膚を洗わずに過ごしてください。

汗は汚くありません。子供の髪は、湯洗いだけでさらさらです。

母乳、ミルク、離乳食。生後3か月からの授乳回数

生後3か月になったら、授乳間隔は3時間以上(夜間でも同じ)あけて、しっかり空腹になってから、しっかり飲むというリズムをつくりましょう。母乳をひんぱんに飲ませると、母乳の中の栄養も十分でないため体重も増えにくくなり、便もひんぱんになるという悪循環。

赤ちゃんはいろいろなことで泣きます。泣くたびに母乳やミルクを与えるのではなく、空腹〜満腹というリズムを作っていきます。


食事は、なんでもバランスよく食べます。食事制限は、必要ありません。

生後4か月から6か月前後に、離乳食を進めていって体重が順調に増えれば、症状はよくなっていきます。成長を促し体重が順調に増えていくように、食事はお腹いっぱい食べさせてください。

食事の時に口の周りにじんましんが出ることがあります。赤く腫れて1時間程度で消えていきます。食材が口の周りにつくことが原因です。特に治療はいりません。全身にじんましんが出るときは、原因の食べもの(卵やミルク等)を控えます。


夜間授乳は、生後7か月を過ぎると中止します。

夜の睡眠は「睡眠シナプス」を脳が作ることが大切です。睡眠シナプスを作るために、夜間授乳はやめていきます。夜授乳を続けていると、お乳のために目を覚まします。連続して寝ることができません。夜間授乳の継続は、「睡眠シナプス」作成の足をひっぱります。夜ぐっすり寝るために、夜間授乳はやめていきます。

「睡眠シナプス」を作るのに一番大切なことは、お日様の光です。朝しっかり日光をあびること、夜は強い光を見ない事。

ですから、夕方に赤ちゃんを連れてスーパーやコンビニで買い物をしないでください。お父さんは、遅く帰ったら、赤ちゃんを起こさないでください。夜に、強い光刺激を受けることは、睡眠シナプス作成に邪魔なのですから。ワンルームマンションで、親と同じサイクルで赤ちゃんが生活すると、睡眠シナプスが作られません。睡眠シナプスを作れない子は、夜寝れずないために、掻きつづけます。

特別扱いをしない。普通の子と同じよう接して

赤ちゃんが顔をかいて傷ができても、跡に残ることはなく、ちゃんと治ります。泣いても、空腹でなく、おむつもきれいだったら、すぐに抱っこしないこと。寝かせたまま軽くトントンとたたいてみたり、話しかけたり、おもちゃをあげたり…、「だっこしないで」がんばります。

「泣けば抱っこ」「夜は抱っこで寝る」を繰り返すと、だっこしないと泣く赤ちゃんになってしまいます。抱っこを頻繁にすると、体を動かさず、手足は縮こまり運動しないからお腹がすかない、お乳をしっかり飲まない、食事が進まない、体重が増えにくい、という赤ちゃんの成長をストップさせるリズムになってしまいます。抱っこばかりのため、生後八か月になって寝返り一つできない赤ちゃんがいます。アトピーだからと心配しないで、普通の子と同じように育児に取り組んでください。

皮膚ではなく子どもの目を見て

お子さんを見る時にお願いがあります。「皮膚を見ないで、目をみて」ください。乳児湿疹は、成長とともにおさまってきます。

【まなかい(目のあたり)】

赤ちゃんの顔を正面から見て、瞳をしっかり見つめます。目と目が会った時、赤ちゃんの心が育ちます。

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自然治療のポイント

  • ●自由にかかせる。かくことを止めない
  • ●ざらざら肌になっても過度の保湿を行わない
  • ●乾燥時期は、入浴は控える
  • ●入浴時は界面活性剤(石鹸シャンプーリンス)を使わない
  • ●夏も冬も薄着で過ごす(1年中室内では半袖半パン)
  • ●食事制限はしない
  • ●卵とミルクは1歳を過ぎてから
  • ●普通の子と同じように育児に取り組む
  • ●夜間、泣くたびに授乳しない
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首や背中のかゆみ

<首に湿疹がある時>

  • ●えり襟がない服、または首にあたらない服を着る
  • ●髪が首にあたらないよう、短く切る
  • ●石鹸・シャンプーは使わない
  • ●入浴時にタオルでこすらない
  • ●スカーフやマフラー、 ストールで首を隠さない
  • ●肌に何もぬらない

<背中にかゆみがある時>

  • ●かゆみの強い時は入浴をせずに着替えだけ
  • ●入浴はシャワー程度。石鹸を使わない。タオルでこすらない
  • ●柔らかいゆったりとした服(綿100%)を着る
  • ●寝る時は、1年中下着をつけない
  • ●ヒートテックを着ない。

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