アトピッ子 ママ・パパへのメッセージ
土佐清水軟膏と縁を切って取り組みました(Kくんママ)
くまモンといっしょに
ヘルペスを発症しました(Kくんママ)
6年間毎日毎日薬を全身にぬってきました(Uくんママ)
ぬり続ける不安におしつぶされそうになって…
息子はもうすぐ6歳です。乳児期から皮膚のかゆみがあり、アトピー性皮膚炎と診断を受けて親子で闘ってきました。「お母さん、ステロイドをこわがってはいけないよ。ぬり方をまちがえなければ大丈夫」という皮膚科医の言葉を信じて、6年間次のことをやってきました。
- ●毎食後かゆみ止めを飲ませる。
- ●汗が皮膚のトラブルの原因になるから、つねに汗を拭きとる。
- ●こまめにシャワーを浴びさせる。
- ●シャワー後の保湿剤塗布の指導を受け、夏場は特に気にかけた。
- ●ステロイドをつねに手元におき、悪化部位にぬる。
ステロイドを使用しては湿疹が治まり、やめるとまた悪くなり、また使用するの繰り返しでした。5年経ち、治るどころか悪化しているのではないかと不安に思えてきました。
ステロイドと保湿剤をつねにもち歩くようになり、2種類の飲み薬を毎食後欠かさない生活を続けてきました。チリ・ダニが原因と言われ、家の掃除の徹底、ダニ防止布団にも変えてみましたし、こまめにシャワーをあびて汗をとり、飲み薬は絶対手放せないものという認識が頭にしみついていました。皮膚をかくと悪化するからかいてはいけないと、息子の手に夜は手袋をはめました。それでも、息子は毎晩かゆみで起きるため、私も熟睡できず、成長期の大切な時期にこれでいいのだろうかと不安で辛い日々でした。一向によくならず親子ともども疲れきっていました。
ある日、ネットで「さち皮ふ科」の情報を知り訪ねました。「まず、この飲み薬はやめましょう。それから、アトピーの話は子どもの前でしない、かきたいだけかかす、入浴もシャワーもなし、石鹸は絶対だめ」。これまでの治療方針とあまりに異なり戸惑いましたが、信じて取り組んでみようと固く決意し、帰宅後から早速開始しました。
ステロイドをやめると、ステロイドで抑えられていた皮膚の状態が悪化し、とびひになりかきむしるので、あっという間にとびひが全身に広がりました。朝起きると滲出液と血、落ちた皮膚でシーツはボロボロ。代わってやりたい気持ちで心が痛みましたが(治療経過の説明を受けて理解していましたので)子どもに皮膚の話はせず、ステロイドは使用しませんでした。一度息子が「こんなにおふとんを汚しちゃってごめんね」と言った時には涙が出ました。息子は「かゆみのいらだち」を親にぶつけることなく、本当によくがんばってくれました。とびひを乗りきり、それと同時にアトピーが消えていくようでした。
- ●毎食後の服薬をやめて、就寝前にかゆみを抑える薬を飲む。
- ●入浴はしない。足の裏のみ洗う。石鹸は使用しない。洗髪は時々ぬるま湯で流す程度。
- ●アトピーの話は子どもの前では絶対にしない。親はおおらかな気持ちで笑っているようにし、禁止のことばを避ける。子どものいいところをたくさん探し、褒めて楽しい気持ちを作っていく。親は手を出しすぎない。
- ●かくことを止めない。
- ●外で遊ぶ時間をたくさん作る。
- ●主食に玄米を取り入れる。
- ●薄着を心がけ、体を衣類で締めつけない。裸に近い状態で伸び伸びと育児を行う。
取り組んだことは――
2カ月が過ぎたとき、息子は驚くほど回復しました。これまでの体がべとべとになるほどのぬり薬、毎食後の飲み薬を気にすることなく、気持ちは軽くなり、生活の負担も親子ともども減り、アトピーも改善しました。今までの苦労はいったいなんだったのだろう、子どもになんて神経質な育児をしていたのだろうと思います。
核家族、夫婦共働き、自然の少ない環境で、子育てへの不安、緊張にしばられて生活していましたが、やり方を変えるだけで心身の健康につながり、親も子もとても楽になりました。今、アトピーのお子さんを抱え大変な思いをされているお母様、毎日がんばられていることと思います。子どもをそのまま受け入れてこれらのことを実践なさってください。
お父さんもおばあちゃんもみんなが助けてくれました(Tくんママ)
生後3カ月、乳児湿疹で近くの皮膚科を受診しました。毎日全身に保湿剤、湿疹が出ているところにはステロイドをぬっていました。アトピーは治らず、ステロイドのランクが強くなりました。
生後7カ月になって、保湿剤とステロイドを中止しました。見る見るうちにひどくなり、かゆみで夜泣きもひどく、1時間おきに起きていました(これが一番しんどかったです)。日中もずっと泣いていたり、お昼寝もだっこでないと寝なかったので、家事が思うようにできず毎日寝不足で昼寝もできずとても大変でした。息子もかゆくてかゆくてかわいそうで、何をしてあげればよいかわからず挫折しかけ、母親の「だいじょうぶ?」の一言で涙がでました。
一時期は友だちと遊ぶこともやめていました。その時はこの状況が永遠に続く気がしてなりませんでした。母親も主人もいろいろと協力してくれて、何度も私に「絶対よくなるから」と言い続けてくれたおかげで、きっとよくなるという希望をもち続けられました。
生後7カ月から治療をはじめ、1歳の夏にはとてもきれいになりました。夜泣きが完全になくなったのは1歳8カ月です。はじめはこんなにきれいになるなんて想像もつきませんでしたが、本当にやってよかった、続けてよかったと思っています。治療を始めたお母さんは、本当によくなるの? どうしたらいいの? と思っている方も多いと思いますが、心配いりません。この治療は時間がかかります。私も1年以上かかりましたし(まだ早いほうだと思います)、これからも成長期などアトピーが出てくると思っています。
でも、今薬に頼らず自分の自然治癒能力を高めていけば将来的にきっといい方向に向かってくれるはずと信じています。そして、病院に通い続け、時間が経っていくとだんだん湿疹が出た時や乾燥がひどくたってきたときなど自分なりの対処法がわかってくると思います。この治療は子どもだけでなくお母さんもしんどいけれど、続けていけば成果は表れると思います。
こんなにきれいになるなんて!
想像もつきませんでした
子どもの皮膚は、アトピーの跡を残さず輝く素肌がよみがえります
赤ちゃんの顔に湿疹がでると、いろんな人からいろんなことを言われます。医療機関でも「こんなにひどい子は見たことない」「早くステロイドをぬらないと重症化する」「ステロイドで治らないわけがない」など。ステロイドをぬりたくないご両親や、ぬってもよくならない赤ちゃんにとっては、つらい言葉です。小児科医や皮膚科医から患者家族が怒られるのは、日本特有でしょうか。患者さんの希望に沿った医療の提供が行われることを願っています。
何もぬらずにきれいになってくると「ステロイドなしで治ったのなら、アトピーでなかったのだ」と言われます。頬は真っ赤で、かくと血だらけになって、毎日シーツは汚れっぱなし、でも1日1日成長するに従って皮膚が強くなって治っていったという、本当の話を聞く耳をもってもらえません。本当のことは、伝わりにくいようです。
初めから何もぬらずに過ごせるとよかったのですが、「ぬらない」ことをすすめてくれる病院は少ないようです。薬に頼っていた子どもたちも、薬をやめてみんな自分の力でよくなっていきました。治っていくと、あれほど傷だらけ、かさぶただらけで、かきむしっていたのに、どこにもアトピーの跡はなく、輝く素肌のもち主になっていきます。「アトピーではなかったのだ」と言われるのも、肌が美しく輝いているからに違いありません。
アトピッ子のお母さんたちが、奮闘した気持ちを書いてくださいました。写真も掲載許可をくださいました。どのお母さんの文章からも、子どもを思う気持ちと、よくなった喜びが伝わってきます。応援エールがあなたの心に届きますようにと祈っています。