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体の部位別の症状

顔の症状は人に見られることを気にする人が多いものです。体にステロイドをあまり使用しない人でも、顔には湿疹を隠すために多量にステロイドを塗っていることがあります。眼科でも、ステロイドの点眼や、プレドニン眼軟膏などの処方を受けるため、ステロイド依存が強くなる場所です。ステロイドを使わなくても、保湿を過剰にしたために「保湿依存」を起こしやすい場所です。

ステロイドの中止をしたあと、初めは滲出液と赤み、熱感が起きます。時間ともに、それらは乾燥に変わり、皮膚が鱗のように付着します。特に保湿を念入りに行ってきた女性(化粧水、乳液、保湿クリーム)は特に鱗屑(乾燥した皮膚)が顔にこびりつきます。

見た目を気にして、乾燥した皮膚をはいだり、滲出液をいつも拭き取ったりしていると、症状が長引きます。できれば一切洗わず、そのままで自然に乾燥した皮膚が落ちるのを待ってください。自然に落ちると、徐々に健康な皮膚が下から出てきます。大きな乾燥した鱗屑が、次第に小さな鱗屑に代わってきます。赤みはひいて、白い皮膚になっていきます。運動量の多い人は代謝がよいので、皮膚の入れ替わりが早く起きます。

顔に症状があるときは、寝る前の水分は特に控えめにしてください。寝ているときに顔にむくみが起きると、夜にかいてしまい、かき傷がふえます。

眉毛も、抜けることがありますが、皮疹がよくなってくると、眉も戻ってくるので心配はいりません。眼の周りのかゆみは、優しくかいて、決してたたかないことが大切です。たたいてしまうと、白内障や網膜剥離の危険が出てきます。

髭剃りは、皮膚を傷つけます。剃らないでいい人は剃らないでください。剃る代わりのベストな方法は鋏で切ること。難しい人は、電動シェーバー(深ぞりをしないタイプ)を使います。T字カミソリは決して使いません。皮膚表面を削ってしまい、肌が荒れるからです。

首は皮膚の薄いやわらかい部位です。

1年中、首は(顔のように)衣類から出しておくことが大切です。冬にハイネック、ネックウオーマー、マフラー、パーカーなどで首を覆うと首の皮膚がむれて、湿疹が繰り返しでてきます。

寒い時期も首を衣類から出しておくと、かゆみも少なく改善が早まります。

肘の内側、膝の内側

アトピー性皮膚炎の好発部位です。長期にステロイド外用が行われている場合が多く、皮膚が薄くなっていることがあります。または、苔癬化といって、皮膚が厚く苔のようになります。厚くなった皮膚や、色素沈着は長期間つづきます。

いつも皮膚は、衣類の外に出しておき蒸れないようにします。冬でも半袖半ズボンがおすすめですが、長そでを着るときは、大きくゆったりとした袖を選びます(ズボンも同様にゆったりしたものを着用)。保温・発熱下着などが流行していますが、締め付ける衣類は皮膚が蒸れるため症状が悪化します。着用は避けてください。

乳首が切れて痛い

ブラジャーが原因になります。化学繊維の入ったブラジャーを使用していると、内部が蒸れて乳首に湿疹ができます。また、男性もシャツがこすれて乳首に湿疹ができます。

入浴時はできるだけ濡らさず、石鹸も一切やめて、タオルでこすらないでください。下着は綿またはシルクとし、ゆったりと体を締め付けないものを着ます。

ブラジャーをするときは(できるだけしないほうがよいが)授乳用の綿100%のものがおすすめ。ガーゼをさばいてまるめブラジャーの中に入れ、空気の層を作ると、悪化しません。コットンや、ガーゼハンカチなどをたたんで入れるのはよくありません。

傷の痛みには、亜鉛化軟膏(サトウザルベ)が効果的です。

手荒れを治すためには、洗剤に触らないのが一番。シャンプー、リンス、石鹸、台所洗剤など、すべての界面活性剤に触らないことです。次に、できるだけ水に触らないこと。一切水にぬらさなければ、傷は1~2カ月で閉じていきます。

手背の湿疹は手袋が原因ですから、爪の根元や、手背に湿疹がある人は、シャンプーをするときに手袋を使うと、逆に悪化していきます。バンドエイドも皮膚が蒸れて悪化します。

手を使うことは積極的に行うべきですが、水にぬらすことと蒸れることを避けます。職種によっては、生活にかなり支障が出ますが、手洗いをやめれば徐々に改善していきます。

肩こりの症状がある人は、肩の周りの筋肉を回したりほぐしたりすることで、肩から腕を通しての血行がよくなると、手荒れの症状も軽くなることがあります。

かゆいのを我慢できない

かゆみは我慢できません。かゆいと思ったら、優しくかいてかまいません。我慢していると、ついに爆発して止まらなくなります。でも、かいても悔やまないでいてください。かいてしまっても、皮膚がやがて強くなり、傷ができなくなって治っていきます。

爪が皮膚に傷をつけますから、爪やすりでしっかりと爪を研ぐことだけ、気をつけてください。 周囲の人は「かくな」と言わないよう、注意してください。

生理のとき

女性は生理のホルモン周期の影響を受けます。生理前にかゆみが出て、生理が始まると落ち着く人が多いようです。体温の高温期にかゆみが強くなるのかもしれません。生理用ショーツは蒸れるので、普通の綿パンツにナプキンを当てます。「綿ナプキン」も販売されています。ナプキンはこまめに交換をして、蒸れないようにします。

生理中も石鹸を使用する必要はありません。陰部にかゆみのある人は、タンポンを使用すると、蒸れによるかゆみが軽減することもあります。

体重の減少

体全体から皮膚の落屑があったり、滲出液が出ているときは、睡眠も十分にとれず食欲もなく体重が落ちることがあります。体重が落ちると、皮膚を作るたんぱく質が足らなくなり(低蛋白)、よくなりません。いつもより、たんぱく質をふくめた食事を増やしてください。

アトピーの治療として、肉をやめ「玄米採食」や「多量の水分摂取」をする方がありますが、いずれも低たんぱくとなり皮膚の材料になるたんぱく質が欠乏するため、アトピーは重症化します。

乳児の体重増加は、生まれてから1年で体重が3倍になる時期です。この時期に体重増加がないとアトピーは重症化しかねません。乳児期は特に体重の増加が大切です。

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