本の紹介

アトピー性皮膚炎 患者1000人の証言

表紙のイラスト

あなたはステロイドが効かなくなってきたら、どうしますか?

ステロイド外用剤を中心とする標準治療の場から外れたアトピー患者の患者による患者のための日本初の本格的実態調査により、ステロイド離脱成功の秘訣を探ります。

第一章 アトピーの歴史を振り返って
~ステロイドをめぐる混乱はほんとうに終息したのか?

1)アトピーってどういう病気?

「成人すれば自然に治る病気」だった

変貌するアトピーの病態

2)ステロイドバッシングの時代

ステロイドは“悪魔の薬”?!

治療現場の混乱と動揺

3)「アトピー性皮膚炎治療ガイドライン」の登場

第一選択薬のお墨つき

標準治療の場から去っていった患者たち

4)そもそもステロイドって何?

治療に用いられるグルココルチコイド

ステロイドは細胞の司令塔

自己判断で塗らなければいけない

5)置き去りにされた問題

よい薬の条件

解明されていない副作用の深刻さ

長期使用の安全性を示す証拠

数十年後の体に向き合うのは患者自身

アトピーの疑問 アトピー今昔 一方的な収束宣言 未知との遭遇 ステロイドのランク、症状の程度、塗る量の自己判断の難しさ 長期使用の安全性を示す証拠はまだない

第二章 一人の成人アトピー患者として生きて
~選択としての“ステロイド離脱”?

1)思春期での発症/いつの間にか処方されていたステロイド

ニキビに悩まされ皮膚科に通いはじめる

ロコイドを顔面に塗りつづけた2年間

2)七転八倒大学時代/ステロイドを止めたい!でも止められない!

家族にこそ耳を傾けてほしい患者の声

はじめてのプチ「ステロイド離脱」

ぐるぐる巻きのミイラ人間“密封療法”

失敗に終わったソフトランディングの試み

「薬をやめた方がいいと思います」

ただ1回のステロイド使用後に劇悪化

3)海外での生活/アトピー寛解の後の再悪化に悩む

アトピーが消え去ったオレゴンの夏

日本に帰るのが怖い

働くために選んだ10年ぶりのステロイド

紫外線療法で全身黒焦げ

4)帰国後のこと/薬遍歴を重ねた末に

新薬プロトピックの治験に参加

病と真摯に向き合う姿勢

伴侶があたえてくれた大きな安心感

自然治癒することなしに迎えた40代

5)不惑を前に/自分自身の回復力を信じて

ステロイドからの離脱を決意

来る日も来る日も続いた“生き地獄”

患者をかかえる家族にも大きな負担

二人の皮膚科との出会い

猛暑をのがれて北海道・豊富温泉へ

6)現在の自分/回復とともに、アトピー調査へ

ステロイドを止めてから4年

一人の体験者として社会にアピール

長く曲がりくねった道 また顔に炎症が出る まるでスパイダーマン 怪盗ステロイドの正体をあばく オレゴンへ旅立ち プロトピックをあきらめる 一人じゃないよ 豊富温泉 社会にアピールする決心

第三章 患者たちの本音に迫る! 
~アトピーを問い直そう?

1)調査の方法と協力してくれた患者の横顔

患者の性別と年齢

配偶者の有無について

2)患者のステロイド体験

みんなが使うステロイド!

現在の薬剤の使用は?

リバウンドの実態

なぜ、薬を止めたの? もう使わないの?

薬を使わなくたって、アトピーがよくなる人はたくさんいるよ!

3)「心のケア」と「入院治療」

「心のケア」について

「入院治療」について

4)患者は、医療現場で何をつらく感じているのか?

医療現場で傷つく患者たち

治療費はさらなる負担

結局、患者は医療に何を求めているのか

5)自分たちは、アトピーをこうみる!

アトピーの悪化の理由は?

アトピーがコントロールできるようになったのはなぜ?

6) アトピー患者たちの社会生活・家庭生活で直面する問題

学業や職業などの社会生活について

患者は社会に対し何を求めているのか?

患者も家族も苦悩するアトピー

家族に対し求めることは?

奮闘するアトピーママたち

つらさを共有すること

アンケート集計結果

第四章 患者、そして生命科学者の立場からアトピー対処法を考える

1)ステロイドを使う?使わない?

はじめて“アトピー性皮膚炎”と診断されたら?

ステロイド、使うとしたら注意点は?

お医者さん選びのポイント

特殊な治療法 免疫抑制剤

2)ステロイド離脱を少しでも容易にするために、再悪化を防ぐために

どこまできたら、ステロイド離脱をしなければならないのか?

3)長引くリバウンドと患者の苦悩

4)奥の手“ステロイド内服・注射”VS. 自然寛解

まず、心構えの問題

信頼する医師との連携を

皮膚を傷つけないために

保湿剤、使う?使わない?

お風呂はどうやって入る?

体って自分が食べたものからできている

しょせん私たちは“動いてなんぼの動物”

意外に大切な“姿勢”

数々の代替治療~情報にふりまわされずに賢く利用しよう

生活全般を見直す~考えすぎてしまわないことも大切

名医が治すわけじゃないアトピー

終わりに 

アンケート調査票

調査やフォーラムにご協力いただいた皮膚科医&医療機関および患者支援団体

行く手が見えてきた あわてて薬を塗らないで カルテのコピーをもらう権利 信頼する医師との連携 痂皮をはぎとらない 日本人のよい食事 考えすぎないように 治癒力がいやす